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脳性マヒのAさんの場合

脳性マヒのAさんは、コンピュータを使ってワープロ入力をしたいと考えています。しかし、彼は不随意運動のために腕を思うように動かせず、以下のような困難を抱えていました。

打ちたいキーを正確に入力できない。

コンピュータは、キーボードのキーを押していくことで文章を入力していきます。
しかしAさんのように腕に不随意運動があると、打ちたいキーの周辺にあるキーを誤って触れてしまったりして、正確なキー入力が難しいことがあります。
そのような時は、キーガードを用いると有効な場合があります。キーガードとは、透明な板状のプレートに、使用するキーボードのキー配置に合わせて穴を開けたもので、キーボードの上にかぶせて、指を穴に通すことでキーを押します。こうすると、誤って別のキーに触れるということを防止するだけでなく、キーボードの上に手首ごとのせることができるので、入力も楽になります。
Aさんも自分のキーボードにあったキーガードを作ってもらうことで、不随意運動による入力ミスを減らすことができました。

一度押したキーからなかなか指を離すことができない。

キーガードを使うことにより押したいキーを適切に押せるようになったAさんですが、今度はいったんキーを押すとそのキーから指を離すのに時間がかかって、その文字が連続して入力されてしまいます。
このときには、同じキーをずっと押しているとそのキーの文字が連続して入力されていく「リピート機能」を解除すると、キーを押している時間にかかわらず文字の入力は一回だけになります。この「リピート機能」の解除はOS(基本ソフト)に付属している「キー入力補助機能」で行います。

複数のキーを同時に押すことができない。

入力ミスを少なくすることができたAさんですが、文章を入力する練習をしていくうちに、自分が入力できない文字があることに気づきました。通常、ローマ字の大文字や記号などを入力するときには2つのキーを同時に押さなければならないのですが、Aさんはキーボード入力に右手の人さし指だけしか利用できないために、このようなキー操作が難しいのです。
そこで、コンピュータに付属している「キー入力補助機能」を利用することにしました。これらの設定を行うと、シフトキーのように他のキーと同時に押すことの多いキー(他には「コントロールキー」や「アルトキー」)などを押したときに、次のキーの入力があるまでそのキーを押した状態に保ってくれます。すなわち、シフトキー とSキーを同時に押して大文字の「S」を打ちたい場合、シフトキーとSキーを1つずつ順番に押しても大文字の「S」を打つことができます。これらの機能は、Winodwsでは「固定キー」機能、Macintoshでは「複合キー」機能と呼ばれています。

マウスを適切にうまく操作できない。

Aさんのように不随意運動があると、キーボードだけでなく、マウスの操作も難しくなります。コンピュータでの作業のほとんどは、マウスを使わなくてもキーボードからの操作だけで可能なようになっていますが(キーボードナビゲーションと言います)、ソフトによってはキーボードナビゲーションに対応していないものもあるため、マウスを使わざるをえない時もあります。
このような時、トラックボールやジョイスティックといった代替入力装置を使う方法もありますが、Aさんの場合は、「マウスキー」機能を使うことで解決できました。この機能を用いると、キーボードの右側あるテンキーでマウスポインタを操作することができます。例えば、テンキーの5を中心に、2を押すとポインタを下に、6を押 すとポインタを右に、そして5を押すとマウスクリックというように、テンキーを押すことでそこに割り当てられているマウス操作を代行させることができます。



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