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ネットワーカー実例集

大阪府 茅原さんの場合

茅原 聖治 <s.kayahara@ma2.justnet.ne.jp>
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[茅原さんの写真]

私は、若年性関節リウマチという病気で上肢・下肢に障害をもつ茅原聖治(かやはらせいじ)といいます。障害者手帳は1級です。なんとか現在は大阪府立大学社会福祉学部に属し、日本学術振興会の特別研究員として「障害者の雇用と教育における経済分析」というのを研究テーマにして研究活動にいそしんでいます。障害者の雇用に関して、PCなどのマイクロエレクトロニクス機器やインターネットなどのネットワークが果たす役割が今後ますます大きくなると信じている一人です。

健常者・障害者を問わず、研究活動をする際に問題になるのは、資料やデータの収集です。とりわけ障害者は自由に遠くの図書館や書庫の奥底まで文献やデータを探したり、アンケート調査などをすることが困難な場合が多々あります。また、紙の資料や文献は机上の限られた空間では自由な検索が難しいという欠点があります。そこで大きな力を貸してくれるのが、パソコンであり、パソコン通信であり、近年ではインターネットです。

私の機器構成は以下の通りです。

[茅原さんの写真]

主として文章を書くのはA5サイズのThinkPadで、図を張り込んだりOLEをフルに使うような編集にはデスクトップの98を使っています。入力はThinkPadのキーボードが狭く凝縮されている分、可動域が狭くて済むという利点があり重宝しています。キーボード入力には数十年来使用している「孫の手」(写真参照)と右手人差し指の二本指打法です。また、マウスよりThinkPadに搭載されているTrackPointは指先に力を入れるだけでマウス矢印が動くので大変便利です。その意味ではWindows95のユーザー補助はかえって使いにくい部分があります。

現在ネットワークが私に与えている利便は次の通りです。

  1. 文献・データ検索 - インターネットではまだあまり行っていませんが、NIFTYのInfocueやPC-VANのDIALOGなどで経済学、社会福祉関係の文献を検索しています。これは図書館に頻繁に行くことのできない身には重宝します。ただ利用料金が高いのが難点です。また、最近はインターネット上に社会福祉関連のWeb増えてきて、電子化されたデータは利用・加工が簡単なので重宝しています。
  2. 書籍のオンラインショッピング - 某宅配便のやっているブックサービスは役に立っています。書店にそんなに頻繁に行くわけではないし、その書店にない本がほしいときには注文してまた後日取りに行くという二度手間になってしまいます。そこで若干の手数料は検索料と割り切れば、非常に便利です。私は4ヶ月に一度くらい利用しています。
  3. 電子メール - 電子メールの便利さは今や万民の認めるところですが、在宅の障害者にはまさに福音ともいえるものです。それは「プライバシーを守る」の一言につきます。この含意は、障害者は他の人に連絡するとき、電話は会話を周りの者に聞かれてしまうし、郵便は誰か(えてして家族)に出してきてもらわなくてはならず、連絡それ自体を誰か第三者に察知されてしまいます。その点電子メールは出したかどうかは本人にしかわからないというまさに秘密保持に役立つのです。ただ私がそんなに秘密をもっているという意味ではありませんが・・・。つまり社会参加が本当に手軽にできるようになったということでしょうか。もちろん、見ず知らずの人からホームページなどを通じてメールをいただけるということでは、パーソナル・スペースの拡大にも寄与してくれます。

今やこれらの利便がインターネットというグローバル・ネットワークにより飛躍的に拡大しつつあります。自分のように障害をもち研究を志す者にとってはまさにちょっと前のIBMのCM、田舎の農村のおじいちゃんが「インターネットで博士論文を仕上げたよ」と言うそのCMが現実のものとなることを期待しないわけにはいかないようです。


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Last modified : 2002.11.25
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