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○ 通商産業省告示第三百六十二号

障害者等情報処理機器アクセシビリティ指針(平成七年通商産業省告示第二百三十一号)を廃止し、障害者・高齢者等情報処理機器アクセシビリティ指針を次のように定める。
    平成十二年六月五日

通商産業大臣臨時代理
国務大臣 中曽根弘文

障害者・高齢者等情報処理機器
アクセシビリティ指針

目次

I.目 的

情報化社会の進展に伴い、情報作成、情報伝達、情報収集等のために個人において情報処理機器の活用が一層浸透し、国民一人一人の日常生活において情報処理機器は 必要不可欠な手段となりつつある。このような中で、情報処理機器を障害者・高齢者を含めて誰もが容易に利用できるようにすること(アクセシビリティ)は、極めて重要となっている。

現在、障害者・高齢者等において、以下の(1)〜(4)のような機器操作上の障壁により、情報処理機器の利用に支障をきたすケースがあるが、本指針は、このような課題に対処するため、キーボード及びディスプレイ等の標準的な入出力手段の拡充や専用の代替入出力手段の提供を促進し、もって障害者・高齢者等の機器操作上の障壁を可能な限り低減し、使いやすさを向上させることを目的とするものである。

(1) 障害による操作上の障壁
(肢体不自由による入力装置利用上の障壁、視覚障害による表示装置利用上の障壁、聴覚障害による音声情報利用上の障壁、知的障害による操作理解に関わる障壁等)
(2) 加齢に伴う心身機能の低下による操作上の障壁
(3) 病気やケガ等に起因する一時的な心身機能の低下による操作上の障壁
(4) 暗所、騒音下等の特別な環境における操作上の障壁

【解説】

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II.対象機器

情報処理機器(パーソナルコンピュータ (パソコン)、ワードプロセッサ(ワープロ)、ワークステーション及びメインフレーム等のコンピュータ本体並びにその関連機器をいう。関連機器には、キーボード及びポインティングデバイス等の標準入力装置、点字キーボード等の特殊入力装置、ディスプレイ及びプリンタ等の標準出力装置並びに点字プリンタ等の特殊出力装置が含まれる。)

【解説】

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III.基本方針

この指針は、障害者・高齢者のみならず、機器操作上の障壁を有する誰もが情報処理機器の利用上の制約を受けることなく、情報処理機器の利用の利益を可能な限り享受することができるようにするため、以下の考え方に立脚して定めるものである。

(a) 共用機能の標準化の推進
機器操作上の広範な障壁に可能な限り対応するため、共用化すべき機能について標準化を図り、汎用の情報処理機器への搭載を実現する。
この機能を「標準的なハードウェア及びソフトウェアを使いやすくする機能(付加機能: Adaptive function)」と呼び、情報処理機器本体等の開発者に対して実現を求める。

(b) 専用機能の開発の推進
(a)の機能では利用者固有の要求を満たせない機器操作上の障壁に対して、きめ細かく対応できる専用機能を開発する。
この機能を「標準的なハードウェア及びソフトウェアの代替手段として提供する機能(代替機能: Alternative function)」と呼び、周辺機器やアプリケーションソフトウェア等の開発者に対して実現を求める。

【解説】

(c) サービスの充実
アクセシビリティ製品の活用や専用機能の開発を促進するため、障害者・高齢者等の利用者及びその支援者並びに専用機能の開発者に対するサービスの充実を求める。

【解説】

(d) 開かれたシステムへの配慮
アクセシビリティに配慮した市販の情報処理機器に対する容易な接続等、互換性の高い開かれたシステムを重視する。

【解説】
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IV.仕様

IV−I.標準的なハードウェア及びソフトウェアを使いやすくする機能(付加機能:Adaptive function)

1.キーボードを使いやすくする機能
1-1. 順次入力機能
文字の入力時や機能の選択時において、SHIFT(シフト)キー、CTRL(コントロール)キー及びALT(オルト)キー等の機能キーと文字キーとの同時打鍵が必要となる場合、機能キー、文字キーの順に一つずつキーを打鍵して文字を確定する順次入力操作を可能にする。

【解説】

1-2. 反復入力(キーリピート)条件設定機能
反復入力(キーリピート)の停止、開始時間(t1)やリピート間隔(t2)を設定できるようにする。これらの機能の有効・無効を任意のキー毎に指定できるようにする。

【解説】

1-3. キー入力確定条件の設定機能
各キーは、打鍵直後確定するのではなく、一定時間(t3)押下して初めて確定できるようにする。

【解説】

1-4. キー入力のみによる操作機能(キーボードナビゲーション)
キーボードの特定のキーやその組み合わせだけで、ソフトウェアのすべての操作及び選択ができるようにする。

【解説】

1-5. キーボード操作のフィードバック機能
キー入力時に音声等を用いてキー入力の確定やトグルキー(キーを押すたびに状態が交互に変わるキーのことで、例えば、Caps Lock(キャプス・ロック)キーは1度押すと大文字入力が可能になり、再度押すと元に戻る)の現在の状態等を確認できるようにする。

【解説】

1-6. キーガード
キーボード上にかぶせるキーガードを提供する。

【解説】

1-7. キーの識別手段
キーボード上に刻印される文字及び記号はできるだけ見やすいものとする。手がかりとなる主要なキーには識別のための突起を付ける。あるいは、大きな文字や点字が印字されたシール等の識別手段を提供する。

【解説】
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2.ポインティングデバイス(マウス等)を使いやすくする機能
2-1. ポインタの移動量設定機能
ポインティングデバイスの操作量に応じたポインタの移動量を調節できるようにする。

【解説】

2-2. ポインタの自動移動機能
実行中のウィンドウ、ボタン及びメニューの上に、ポインタを自動的に移動できるようにする。

【解説】

2-3. ポインタやカーソルの条件設定機能
ポインタやカーソルの大きさ、形状及び色の変更、軌跡の表示並びに点滅間隔等の条件設定ができるようにする。

【解説】

2-4. ポインティングデバイスのボタン機能の変更
ポインティングデバイスのクリック、ダブルクリック及びドラッグ等の機能を左ボタン、右ボタン等に割り当てられるようにする。また、クリック速度等の設定もできるようにする。

【解説】

2-5. キーボードによるポインティングデバイスの操作機能(マウスキー)
ポインティングデバイスによるポインタ移動、クリック、ダブルクリック及びドラッグ等の操作をキーボードで代行できるようにする。

【解説】
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3.画面表示を見やすくする機能
3-1. 画面の拡大表示機能
すべての画面情報を見やすい倍率で拡大・縮小表示できるようにする。拡大・縮小する領域は、カーソル移動キー、マウス等で指定できるようにする。また、ポインタやカーソル移動にも追従できるようにする。

【解説】

3-2. 画面の配色変更機能
画面に表示される情報の配色を変更できるようにする。

【解説】
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4.システム全般を使いやすくする機能及び環境
4-1. 情報処理機器の操作性
電源スイッチ及びリセットスイッチの操作、電子媒体の交換並びに周辺機器との接続等について、使いやすくすると同時に、誤動作しないように配慮する。

【解説】

4-2. 周辺機器の操作性
外部記憶装置や入出力装置の操作性及び情報処理機器本体との接続性を容易にする。

【解説】

4-3. 情報処理機器のFAX対応機能
情報処理機器とFAXとの間で文字・図形情報の送受信ができるようにする。

【解説】

4-4. 多様な利用環境への対応
多様な環境下での利用を考慮したハードウェア設計をする。携帯性についても配慮する。

【解説】

4-5. 出力情報の多重表現機能
ハードウェアやソフトウェアの動作状態や警告を、画面表示、音声及び振動等複数の手段で知らせるようにする。

【解説】

4-6. 入力操作前の状態に戻す機能
キー入力等の操作によって生じたソフトウェアの状態変化を、その前の状態に戻す(取り消す)ことができるようにする。

【解説】

4-7. メニューの階層構造
1つのメニューに多数の項目を表示する場合や多階層構造にする場合、表示方法を工夫する。

【解説】

4-8. アイコン、ボタンや文字等へのアクセス制限機能
指定したアイコン、ボタンや文字等を隠す、あるいはアクセスできなくする機能を付ける。

【解説】

4-9. OSやアプリケーションソフトウェアの設定条件の保存機能
OSやアプリケーションソフトウェアの設定条件の内容を保存でき、利用時にその内容が設定されるようにする。

【解説】

4-10. 単語・文章予測機能
キー入力操作中に、最初の数文字の入力によって、後に続く文字や文章を予測・表示する機能を付ける。

【解説】

4-11. 漢字習得レベルに合わせた漢字辞書
漢字習得レベルに見合うかな漢字変換辞書を提供する。

【解説】
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IV−II.標準的なハードウェア及びソフトウェアの代替手段として提供する機能 (代替機能:Alternative function)

1.キーボードの代替
1-1. 代替キーボード
標準キーボードと同等な機能を有する代替キーボードを提供する。

【解説】

1-2. オンスクリーンキーボード
オンスクリーンキーボードを提供する。

【解説】

1-3. 点字入力機能
標準キーボードの一部を点字キーボードとして利用できるソフトウェア、あるいは専用の点字キーボードを提供する。

【解説】

1-4. 音声入力機能
音声によって情報処理機器の操作及び文字入力を行う機能を提供する。

【解説】

1-5. 音声による文字入力支援機能
入力中の文字(アルファベットを含む。)を読み上げることができるようにする。音声の大きさ及び音声の種類等を設定できるようにする。文字入力時は、(1)打鍵した文字、(2)変換候補文字、(3)確定した文字を音声で確認できるようにする。同音異義漢字については音声で区別できるようにする。音声辞書の内容は利用者が変更できるようにする。

【解説】
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2.ポインティングデバイスの代替
2-1. 代替ポインティングデバイス
マウスと同等な機能を有する代替ポインティングデバイスを提供する。

【解説】

2-2. タッチスクリーン
ディスプレイに装着するタッチスクリーンを提供する。

【解説】
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3.ディスプレイやプリンタの代替
3-1. 音声読み上げ機能
画面の任意の位置に表示される文書情報及び電子メール等の文字情報(英単語を含む。)を読み上げることができるようにする。読み上げ速度調節や読み上げ中断等ができるようにする。

【解説】

3-2. 点字ディスプレイ・触覚ディスプレイ
画面に表示される文字情報を点字で表示する点字ディスプレイを提供する。また、画像情報をそのまま凹凸形態に変換して提示する触覚ディスプレイを提供する。

【解説】

3-3. 点字プリンタ
画面に表示される文字情報を出力する点字プリンタを提供する。

【解説】
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IV−III.共通事項

1.サービス
1-1. インタフェースの仕様公開
代替入出力装置及びソフトウェアの開発支援のため、外部機器との接続部分のハードウェア仕様及びソフトウェア仕様(インタフェース)を公開する。

【解説】

1-2. 情報処理機器の表記に対する配慮
情報処理機器に刻印する文字及び記号については、専門用語、外来語及び略語を多用せず、できるだけわかりやすい表現にする。

【解説】

1-3. コンテンツをわかりやすくするための配慮
画像や写真には説明書き(文字)を付ける、音声(会話)には字幕を付ける、文章だけの説明を避け図や表を付ける等、複数の手段でコンテンツ(ソフトウェアで使用する画像、音声及び文章等の様々なデータ)にアクセスできるよう表示情報と音声情報をできるだけ提供する。また、基本・応用機能等の利用者に応じた複数の操作方式の提供及びウィザード機能(対話型案内機能)、ヘルプ機能等の操作方法に困った時の支援機能の充実により、コンテンツ自体の操作を分かりやすくする。

【解説】

1-4. マニュアルを利用しやすくするための配慮
マニュアルは、専門用語、外来語及び略語を多用せず、できるだけ分かりやすい表現にし、複数の手段でアクセスできるようにする。

【解説】

1-5. 製品情報の提供
アクセシビリティ製品についての情報を提供する。

【解説】

1-6. 問い合わせ窓口・手段
自社製品に関する問い合わせ窓口を用意し、説明書等に明記する。利用者が複数の手段でアクセスできるよう、問い合わせ窓口には電話、FAX及び電子メール等を使えるようにする。

【解説】
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Last modified : 2002.11.25
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