高等教育での講義の技法は、時代とともに発展してきたものであり、一貫して、大学教育の要素であり続けたものです。このブックレットでは、障害を持った学生を教えるのに新しいテクノロジーがいかに助けになり、その講義の技法が変化することにより、障害を持った学生の講義へのアクセシビリティーがいかに高まるかについて説明しています。
ラテン民族圏で布教していたカトリック信者達が教会に戻って礼拝をはじめたのはそんなに昔のことではありません。1958年に教会が改築され、長年の伝統が払拭されましたが、それ以上に重要なのは、日曜礼拝に訪れる民衆にわかりやすい言葉を使うようになったことです。この変化の中で講義のスタイルは大衆が分かりやすく信頼が置けるものになっていきました。不幸なことに、このスタイルの講義が行われることで、あるタイプの障害を持った学生に対する知識の伝達が上手く行われなくなるということにもなりました。学生が様々な特性を生来持っているということを考慮しながら講義を行うことは、全ての学生の利益に結びつくことであり、クラス全体を上手く教えることは、個々に対しても上手く教えることになります。
知識の流入は、ほとんど自然になされてしまう場合もあります。しかし、多くの場合、知識を得るためには、基本的な規則を身につけるために懸命に努力する必要があります。
しかし、学生の中に、視覚障害、聴覚障害、読書が困難な記憶障害などの人がいる場合、どのように教えればいいのでしょうか?
その場合、次のようなことに留意する必要があります。
*クラスの中の障害を持った学生を特定し、講義に参加できているかどうか尋ねます。
*聴覚に障害を持つ学生は口の動きで言葉を読みとっているかもしれませんので、講義をしているのが彼らから見えやすい位置に立ちます。
*いつも学生の方に向かって話すように心がけ、黒板やスクリーンの方に向かって話すのは避けるようにしましょう。
*他の学生からの発言や質問は繰り返し話すようにしましょう。
*必要のない時にマイクは使わないようにしましょう。
*口の動きを読みとるのは大変難しく、ひげを伸ばしていると不可能です。
*読書障害や、視覚障害あるいは上肢に障害のある学生は、正確にノートを取れないかもしれません。その講義内容をタイプすることはいい方法かもしれませんが、話している近くにテープレコーダを置いておく必要があるでしょう。
*講義ノートの内容をフロッピーディスクやワールド・ワイド・ウェブ(WWW)に残しておくのも有用でしょう。
*自分の講義のスタイルを個々のニーズにあわせて行うことを明確にしましょう。