図2は人が情報入手するプロセスを図化したもので、情報補償はこのプロセスに沿って考える必要がある。具体的には、情報補償として「どのような情報を」、「どのような手段で」、「どんな人に対して」行うかを検討し、そのねらいや特徴を事前に整理しておく必要がある。さらに、情報補償の行われ方やその程度についても配慮が必要で、たとえば「常時−必要時:常時情報補償を行っているものと必要時に情報補償をおこなっているもの」について検討が必要で、情報補償を行う場合の「何時に」がその有効性に深く関連している。また、「どんな人に対して」では、「個別対応(プライベートユース)−共用(パブリックユース):個々の障害者に対応しているも のと多くの学生に共用しているもの」の2つがあり、特に共用的に情報補償する場合には「どのような学生群を対象とするか」が重要な検討項目となる。

情報補償環境を考える上で、対象とする環境に応じて情報補償の内容が異なってくる。今回の調査では、施設整備形態の違いから空間的な要素と機器・システム的な要素とに分けて、各情報補償環境を分類した。
(1)空間的要素
空間的な要素とは、街路や通路・教室など学生が活動する場所ごとに考慮されたものである。外部空間では、建築形態そのもや街路・アトリウムなどがあり、内部空間としては廊下・ロビーから教室・教官室など各種の空間において情報補償がなされている。
(2)機器・システム的要素
機器・システムとは、屋外や室内で学生の情報入手を支援するために配慮された道具や機器である。教育を支援する道具(教具システム)として、各種の映像システムや情報機器があり、学生への案内や情報伝達を助ける情報伝達システムやサインシステム等がある。