こころWeb

5-1.聴覚障害者のための情報補償環境

5-1-1 聴覚障害者のための情報補償環境

聴覚障害者のための情報補償は、環境の中の音・音声情報をいかに受容するかが主眼となる。まず、情報を容易に手に入れることができるために、施設・設備が日常的に利用でき、また利用しやすい環境にある必要がある。さらに、補聴設備等により音・音声を聞き取りやすい品質に向上させると共に視覚情報等の代替情報への変換を図り、情報を受容することが可能な環境を整える必要がある。最後に、受容した情報の理解が促進されるための条件として、情報内容の整理、構造化が大切な条件となる。

図

これらの条件に環境との調和の観点から「(6)デザイン性」を加えた6つの観点から、本学聴覚障害関係学科の施設・設備を評価した。

5-1-2 聴覚障害者のための情報補償環境のガイドライン(試案)

A.利用度
情報が必要なときに、その施設・設備がいつもそこにあり日常的に使用することができる環境にあることが大切である。
<ガイドライン>
A-1 日常的に使用されていること
A-2 必要なときそれが利用できる環境にあること

B.利便性
その施設・設備を利用する際、専門的な知識や技術がなくとも利用の方法が分かり、複雑な操作や補助者を必要とせず自立的に使用できる環境であることが大切である。
<ガイドライン>
B-1 特別なガイダンスを必要とせず利用方法が簡単で分かりやすいこと
B-2 受信者側の専門知識や技能を必要とせず自立的使用ができること
B-3 受信者側が特別な装置等を準備しなくてもよいこと

C.情報の視覚化
音により合図したり注意を喚起する場合、その音を光り又は振動などの受容可能なモードに変換する必要がある。また、情報の発信者、受信者の関係が対面、非対面(機器等を通した伝達場面等)に関わらず音声による情報は文字やピクトグラム、映像、手話等の視覚情報に変換して伝える必要がある。
<ガイドライン>
C-1 音による情報を光や振動に変換すること
C-2 音声情報を文字情報に変換すること
C-3 音声情報をピクトグラムや映像等の視覚情報に変換すること
C-4 音声情報を手話等の視覚情報に変換すること

D.情報の明瞭度
準備された情報が聞こえにくい音情報や見えにくい視覚情報の場合、十分に情報を摂取することができない。情報の明瞭度を確保し、受容可能な情報環境を整える必要がある。
<ガイドライン>
D-1 気づきやすい位置におかれていること
D-2 視界を遮る物がなく見通しがよいこと
D-3 視覚的に認知しやすい明るさやコントラストが保たれていること
D-4 音や音声の場合は補聴器に直接音を送るなど音の明瞭度を向上させたり増幅することができること

E.情報の理解度
受容可能な状況に整えられた情報でも、受信者各々の理解の内容に相違を生じる場合がある。情報が発信者の意図にそって正しく理解される必要がある。
<ガイドライン>
E-1 個人の知識や経験、言語力等に影響されることなく情報の内容が正しく理解ができること
E-2 情報の内容を要約したり構造化することによって理解を促進させるように工夫すること

F.デザイン性
情報補償のための種々の装置を付加することによって、使用する環境が煩雑になったり日常性からかけ離れた特別な環境と感じさせたりすることがないようにデザインすることが大切である。
<ガイドライン>
F-1 配置が整っており仰々しくなく美しさを感じるデザインあること
F-2 環境との調和がとれ違和感がなく特別なものと感じさせないデザインであること


前ページ 目次 次ページ

| こころWeb | こころリソースブック | 相談センター | こころWebからの提案 | アクセシビリティ指針 |
| 最新情報 | 初めにお読みください | ネットワーカー実例集 | 関連情報 | ご意見・ご感想 |


Last modified : 2002.11.25
(c)Copyright, e-AT協議会